R)排泄
吐物と並んで、明らかに症状が観察できるものです。糞尿には、普段から十分注意してあげて下さい。そして、正常なものも含めて、定期的に画像で管理しておくと、いざという時に助かります。
1 尿失禁
尿が意識しないのに漏れることです。膀胱括約筋の機能障害が原因です。ギュッと締める作用の薬が処方されることでしょう。年をとった動物は人と同じで漏れやすいです。
2 頻尿
尿の回数が増えることです。尿量が増えることによる神経性のもの、膀胱の周囲の臓器の影響によるもの、尿路が炎症を起こした場合、膀胱の膨らみ度が減退した時、膀胱内に異物が混入した時などの原因が考えられます。
3 多尿
尿の回数が多く、その上、量も多いことです。飲水量の増加、糸球体濾過率の増加、尿濃縮能の低下、腎臓からの分泌作用の亢進、腎血管が収縮したための血圧上昇、高浸透圧利尿などで見られます(少し専門的なことが多いですが...)。尿崩症、糖尿病でも見られます。
4 乏尿
尿の排泄量が少なくなった状態です。糸球体濾過率の低下、腎血流量の減少、尿細管再吸収の亢進などで起こります。原因として、水分の摂取量が減ったこと、下痢、嘔吐や発汗などにより水分が失われたこと、腹膜炎で腹水が溜まる時期に、また、腎臓や心機能の障害などがあります。
5 無尿
尿が全く出なくなる状態です。無尿の定義は、腎臓で尿が生成されなくなることを言います。腎臓の血流量の著しい減少、高度の尿細管障害で起こります。尿が生成されるのは、囲みにあります尿閉です。
6 血尿
血が混じった尿の出る場合です。膀胱、糸球体、尿細管の障害で赤血球が尿に混じる場合です。
7 赤色尿
血以外のもので赤くなっている時です。血尿と区別するのは、素人目には難しいかもしれません。どんな場合に起こりうるかというと難しいですね。赤い色素の試験薬を服用したとか...獣医さんに行くと、尿検査の試験紙で反応をみればすぐわかります。
8 血色素尿
赤血球が崩壊したために出てくる血色素が、肝臓や脾臓で処理しきれないために尿に出てくる場合です。血尿に比べて、少し褐色〜暗褐色となります。検査をするとタンパク質は含んでいるものの、赤血球はありません。これも腎臓の病気を疑います。
9 緑色尿
トリプトファンというアミノ酸の腸内分解物である、インジカンという物質のため緑色になった尿です。
10 着色尿
その他、特定できない色のついた尿が見られれば、着色尿として記録します。
11 膿尿
膿が混じった尿です。少しさらっとした膿漿(体液成分)の混じったもの、少しどろっとした膿球(細胞成分、主に白血球)が混じったものがあります。
12 濃縮尿
濃度が異常に高い尿です。判断が難しいかも知れませんが、熱性病、腎炎などの時には、尿の量が減りますので、そのため比重が高くなって濃くなります。糖尿病では、尿の量が多い上に、濃くなります。
13 混濁尿
白っぽく濁った尿です。白濁尿とも言います。ウサギは正常です。いつも結晶性成分が混じってます。
14 大便失禁
糞の排泄をコントロールできない状況です。脊髄の病気の時、直腸の知覚がなくなったり、肛門の反射が障害されたり、括約筋が損傷するために起こります。
15 脱糞
何度も排便を繰り返す時、このように言います。
16 軟便
正常より軟らかいが、下痢とは言えない程度の便を軟便と呼びます。基準としては、一応、形をとどめているもの、というところです。一部原形をとどめている状態も、一部軟便として区別します。
17 下痢
水分が多く、液状あるいは液状に近い便を排泄することで、肛門の周囲に便が付着することでも確認できます。様々な原因が考えられます。詳しく観察しましょう。
18 水様性下痢便
ほとんど水のような便です。
19 粥状便
液状便と軟便の中間状態を言います。
20 粘液便
大量の粘液を含む、ネットリとした便のことです。棒などで突つくとまとわりつくようなものです。
21 泡沫便
気泡が混入した状態の便です。
22 血便
血液が混じった糞便のことです。血液の確認は、検査紙などを使わないと難しいです。色も注意です。鮮血(真っ赤)が出ているのか、少し黒っぽい赤なのか。診断も変わってきます。
23 粘血便
粘液と血液が付着した糞便のことです。
24 赤色便
赤い色をした便。血の混入の有無を調べましょう。何らかの代謝物が赤い色を呈する場合があるので。
25 黒色便(タール状便)
黒い粘稠性(コールタール状)のある便で、消化管の出血を疑います。ウサギの場合、粘膜被膜糞という軟糞があります。これは正常です。
26 灰色便
白っぽい便、灰色っぽい便です。胆道が閉塞した病気で見られます。またまた、ウサギでは、白濁尿と混じって汚れて起こりうることがあるので、注意です。
27 緑色便
緑色です。胆汁を多く含んでいると考えます。空腹状態が長く続くとこのような便がでます。
28 無便
長時間にわたって、糞をしない状態です。原因は、消化管の障害、ストレス、食欲廃絶、糞食のためなど。
29 ゼリー状便
状態が悪くなるとたまに見られるゼリー状の軟らかい便。腸の乳び が胆汁色素を混入しないで排便されてしまったものです。
30 異臭
肛門腺から分泌される不快な臭いのことです。たとえば、犬やフェレットでは、興奮したり驚いたりした時に、ウサギでは繁殖時期に異臭を発します。
(以上)
以上で、観察方法の紹介は終わりです。様々な観察項目がほぼ網羅されていると思います。
動物がおかしいなぁ、と感じたら、一度、どこがおかしいのか(目ですか?耳ですか?など)、どんな風におかしいのか(吐く、下痢するなど)、というのをよく観察してあげて下さい。
具体的にどのような病気が考えられるかというのは、
別のサイトで順次紹介しています。参考にしてみて下さい。
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